ペイント・プロテクション・フィルム(以下:PPF)とは、透明のポリウレタン製フィルムを自動車やバイクなどのボディ表面に貼ることで、外的な要素からボディを保護し、傷がつくことを防ぐ製品のことを指します。ほかにも『ヌードブラ』や『クリアーブラ』、『スクラッチガード』など様々な名称がありますが透明フィルムで塗装面を保護するという点で同じ『プロテクション・フィルム』と総称されています。
PPFの施工目的は『外的な要素』からフィルムを貼ることで可能な限りボディを守ることです。 その目的は同じでも、外的な要素は『飛び石』や『10円パンチなどのいたずら』、『ネコの爪痕』、『鳥のフン』、『荷物の積下ろし』など様々です。これらキズからボディを守るためにフィルムでボディを覆います。 しかしキズからボディを守るだけではPPFとして機能しません。 それは貼ってあることがわからない透明度、お手入れのしやすさ、剥がれない接着力、高い収縮性にフィルムそのものの強度、曲面への施工性など多くの課題をクリアする品質が要求されるのです。 それらを高いレベルで両立させることができるフィルム、そして高い完成度を実現する施工道具、インストーラー(施工者)。 全てが存在してはじめて『良いPPF』として存在できるのです。
PPFはアメリカで誕生しました。
その起源はカーナビゲーションや携帯電話と同様に軍用で、ヘリコプターや戦闘機のキャノピー(搭乗座席窓)やプロペラなどの保護が目的でした。
その後、自動車への転用が始まりましたが当初の製品は透明度や曲面への施工、サイズなど多くの難点があり自動車用として普及はしていませんでした。しかし2000年代に入り、自動車用のマーケット拡大のために自動車用としての製品開発が始まり、今ではアメリカを中心に10社程度のフィルム製造メーカーがビジネスを行っています。
ボディをフィルムで覆う『PPF』で使用するフィルムについてかんたんにご説明していきましょう。
まず、フィルムの種類ですが透明の『ペイント・プロテクション・フィルム』は「ポリウレタン」と言う素材を基材に作られています。このポリウレタンは非常に柔軟性が高く、硬化しにくいためにボディを保護すると言う点において非常に優れています。
みなさんがよく目にする「ラッピング」と言われる不透明のフィルムでラッピングなどを施す際に使用するフィルムは「カッティングシート」などと呼ばれる種のもので、こちらは「塩ビ」製です。
この2つの大きな違いはフィルムそのものの「硬度」です。
「PPF」は先ほども書いたように非常に柔軟性があり、わかりやすい例えをするなら「ゴム」です。一方の「塩ビシート」は例えるなら「プラスチック」。表面が硬いので飛び石などの衝撃を「吸収」する事ができずにフィルムやボディを傷つけてしまいますが、PPFは受けた衝撃を拡散・吸収して傷つくのを防ぎます。
この柔軟性は時間が経過してもあまり変化がなく、PPFは数年後でも柔らかく柔軟性に富んでいます。対して塩ビシートは時間が経過すると「パリパリ」と切れてしまうものもあります。
非常に柔軟性が高いため、上の写真のように鋭利なものを押し当てても力が拡散しながら吸収してくれます。
それでいて強力な接着層を持つため、ランボルギーニ(オレンジ色のモデルカー)のように力を入れてフィルム面に傷をつけようとドライバーを押し当ててもフィルムがその力を吸収しつつ分散するのでササクレ状にキズは付きますがボディを痛めるほど傷をつけようとするのは大変です。フィルムに付いた傷は目立たないように処理することはできますが消すことは出来ません。その場合は写真のように剥がして貼り直すことになりますが、ご覧のようにフィルムの下は無傷です。
ちょっとした接触や乗り降りに付きやすいクツの傷、ドアノブやドアエッジ、トランクの荷物積み降ろしで付く傷に対して非常に有効です。
(全てのキズに対しての効果を保障するものではありません)
この柔軟性がある素材ゆえに複雑な曲面で構成されているボディに最小限の分割のみを行った1枚のフィルムで施工する事ができるのです。

現在、Yes!PPFでは通常のボディ用透明フィルムに加え、質感をガラリとかえつつも保護性能を併せ持つ「STEALTH(ステルス)」、そしてヘッドライト用などさまざまなフィルムを取り扱っています。

PPFの施工目的は大きく3つです。
■1:
生活傷対策
生活傷とは日常的に使用する上で避けられないキズのことを指すYes!PPFが使っている用語です。
具体的には
ドアカップ、ドアノブと言った必ず触れるところです。最近は男性にも一般的な指輪やブレスレットなどのアクセサリーがドアカップやドアノブに当たって傷が付くのをフィルムによって防ぐ目的で施工します。ドアカップにいたってはこちらも流行でもある女性のネイルにつけるスワロフスキーなどの装飾にも有効で、彼女や奥さまなどに変な気を使わせないスマートなアイテムでもあります。
■ドアカップ
自分のクルマならまだしも、人のクルマとなるとなかなか気が回らないのは同乗者の常。アクセサリーやネイルなどが頻繁に当たることで細かなキズが付き、そこに汚れが入り込むことで見た目が汚くなってしまいます。
誰もが触れる場所ゆえ、ここがきれいだと「清潔感」がでて気分よく乗り降りができると言うもの。
同乗者のドアは必ず自分が開けるというジェントルマンか、ドアマンがいる方以外の皆様にはおすすめです。
(ドアカップ、ドアノブの形状により施工ができない場合もございます)
■作業時間目安
  1〜2時間
■作業料金
  2箇所4,200円
■ドアエッヂ
ドアノブと同じく目立ち、そしてドアノブ以上に修正が難しいのがドアエッヂです。気をつけていても駐車場で壁に「コツン」と言うことは誰にでも経験があると思います。塗装が欠けてしまうと見た目はもちろん、サビの原因になったり、場合によってはそれが原因で塗装に亀裂が入ることも。しかし面積の割りにタッチアップ以外の修理が大変なのも嫌なところ。
そこで細くカットしたフィルムでドアエッヂをガードするのがドアエッヂ・ガード。Yes!PPFではドア形状に合わせて数種類の幅を使い分けることでよりきれいな仕上がりをご提供しています。
(仕上がり:下写真左から2枚目)
■作業時間目安
  約0.5時間
■作業料金
  2箇所4,200円
■スカッフプレート / ドア・インナーガード
大きな開口面が必要なクーペ(2ドア)車などでは駐車スペースなどによりドアを全開にして乗り降りするのが難しい場合があります。そのような車種に多いのが狭い開口部で無理やり降りようとするときにクツがボディに当たってしまうこと。
さらに女性の場合は開口部の広さに関わらずスカートを着用することなどでそのリスクはより多くなってしまいます。そこでPPF。純正品などのアルミパネルやステンレスパネルの上にも施工ができるほか、角にも巻き込んで施工が出来るので上面に限らず角もしっかりガードすることで乗り降りによるキズにもしっかり対応できます。
■作業時間目安
  約0.5時間
■作業料金
  2箇所5,250円
 (最多価格帯)

■2:
飛び石対策
クルマは乗るもの。走行すれば自分のタイヤが巻き上げる小石の他、前を走るクルマからの飛び石によって不意についてしまう傷も多いもの。
これが高速道路を多く使うユーザーさんの場合はその傷を受けるリスクはより大きくなります。
そのため一番キズを受けやすいフロントのバンパー、
板金塗装のできないヘッドライトやフォグランプ、ボンネットフードにフェンダーなど正面から見たときに見える範囲と、リアフェンダーの手前側、リアフェンダーの後ろ側が飛び石対策としては一般的です。
ボンネットフードやフェンダーは全ての面を覆う『フルラップ』と、前側のみを部分的に覆う『スタンダードラップ』がありますのでお車の形状や予算などをベースにお選びいただけます。

■3:
特殊傷対策
最後はユーザーさんのニーズに合わせて施工を行ういわば『オーダーメイド』施工です。
例えば、
ゴルフを愛するユーザーさんは思いゴルフバックをトランクに入れる際についついリアバンパーに一度置いてしまう癖があり、バンパーが傷つくと言うことでフィルム施工。
この部位はYes! PPFでは『バンパーガード』や『トランクガード』と呼びます。ゴルフバック以外にも
ベビーカーの積み下ろしや車椅子の積み下ろしなどでも活躍ます。
他にも大型SUVのルーフへのフィルム施工と言うのもあります。これは完全に『捨て膜』としての使用で、
洗車のしにくいルーフ部分を手入れせずに放置しても痛まないようにと言う目的での施工です。この場所は他にも鳥の糞対策や、ネコのツメ傷対策としても有効です。

PPFの特徴はここまでででも理解いただけたかと思いますが、それらを踏まえたうえでの最大の施工メリット、それは『剥がしたときの美しさ』です。
フィルムは専門スタッフの手により「糊(のり)」と呼ばれるベタベタを残すことなくきれいに剥がす事ができます。フィルムを剥がせば施工前のきれいなボディに戻れることで、万が一の飛び石や軽度の接触事故、その他のキズを「
なかったこと」に出来てしまいます。
これは全てのキズに対して当てはまることではありませんが、日常的についてしまうドアノブなどのスリキズや荷物の積み下ろし、軽い接触には非常に有効です。そのため愛車を手放さなければいけないときのリセールバリューにも貢献してくれます。
 

 
貼った時の美しさはもちろんですが、剥がしたときにもきれいであることが非常に重要です。そのため貼り方の他に、剥がし方も非常に大切です。
では具体的にどのような貼り方がきれいに貼れる貼り方なのでしょうか?
上の4枚の写真は施工途中を写したものです。右2枚と左2枚では施工方法がまったく違うのがお分かりいただけるでしょうか?
結論からお話しすると、私たちは右側の写真2枚のような施工方法は推奨していません。正確に言うと、最終的に美しい仕上がりと言えません。
では何が違うのかご説明しましょう。

まず左の2枚ですが、フィルムがボンネットの形状、バンパーダクトの形状に合わせてカットされています。
一方の右の施工写真は大きなフィルムを貼りつけ面に当てています。 貼りつけ後の見た目はさほどの差は生じません。しかし施工を行うのに必要な技術と、さまざまなカットデータを持つという経験値に大きな差があります。
そのため多くの施工店では高い施工技術を必要としない右のような『カバー&カット施工』と言う施工方法をとります。
この方法は写真のように貼りつけ面より一回り大きなフィルムを当て、包み込むように貼り付け、あとで不要な部分をカットします。この工程では貼りついたフィルムをカッターなどで切り取ります。つまり、ボディにカッターなどの刃の跡が残る可能性が非常に高いということです。
フィルムで傷を防ぐのに、貼りつける際に傷をつけてしまうという本末転倒の結果を招くのです。
また、ダクトなどの処理が左右で異なったり、無理なテンションによって後のフィルム剥がれが発生する可能性が高くなります。

逆に左の2枚の写真のような『プレカットフィルム施工』の場合は予めカットされたフィルムを使用します。カットするデータはアメリカの製造元と連携することで実現するデジタルデータを使用する場合と、個々に型紙を製作することで事前のカットフィルムを製作する方法があります。 型紙の製作には高い技術が必要なことはもちろん、時間も多くかかるために並行輸入業者や施工実績の少ない施工店はこの施工方法を好みません。 私たちが行う施工方法は当然ですが左の写真のような『プレカットフィルム』を使用した施工です。 ヘッドライトやボンネットはもちろん、バンパーの複雑なダクトやフィンも写真のように予めカットしたフィルムを使用します。

このように、お客様のおクルマが「どのような施工方法」で施工されるのかを事前に確認し、納得した施工方法の施工店を選んでいただく事が大切です。

それでは今度は実際の作業工程の一部をご説明していきます。
おクルマをお預かりすると、まずは車両のコンディションをチェックします。Yes!PPFでは車種別のイラスト図を用意。バンパー形状の違いなどにより正確にキズや飛び石の有無を記入できないと困るのでグレードの違いなどによるバンパー形状の違いなどにも対応するためそのイラストのバリエーションは30車種以上、60パターンを超えます。この時点でフィルムの施工により消える(目立たなくなる)キズや逆に目立つキズなどをピックアップし、必要に応じてオーナーさまと状況の確認をいたします。
続いてマスキングです。施工には専用の液剤を使用するため、ありとあらゆる部分をマスキングしていきます。
そして最後に施工前のボディメンテナンスです。
透明のフィルムをボディに施工しますので、ボディの曇り、鉄粉、ゴミの付着などは施工後に取り除く事ができないために致命的です。また定着をより確実なものにするために部分的に特殊溶剤でクリーニングを行います。
この作業を経てフィルムの施工となりますが、フィルム施工はゴミとの戦いでもあります。先ほど記載したようにフィルム施工後にゴミを取ることはできません。
そのため施工環境は『ホコリが出来るだけ少ない場所』、『風が吹かない場所』、『ゴミなどがすぐ確認できる照明設備がある場所』などの条件を満たしていなければいけません。
施工までのこの工程と施工環境が仕上がりに大きく影響し、完成度の高さを左右します。
そして最後に重要なポイント、それが経験です。
PPFが高額な理由のひとつが高い施工クオリティーです。これは誰でもが貼れるわけではなく、経験をつみ美しい仕上がりが実現するアイテムであるということです。
そのため施工経験が豊富なインストーラーほど、形状やボディカラー、施工環境への順応力が高く、きれいな仕上げを行う事ができます。Yes!PPFでは北海道などから遠路おクルマをお預かりするケースやポルシェやフェラーリ、ランボルギーニと言った多くのディーラーさまから直接ご依頼をいただくことも多くあり、その実績は高く評価されています。
 
 
Yes!PPFでは安心してフィルムの施工をご依頼いただけるために、いくつかお約束している事があります。
1:フィルムの専門知識を持つスタッフが在籍。
 商品知識から施工相談、施工後のケアまで施工店がしっかりサポートできる体制をご用意。お引越しの際などはパートナー店舗への引継ぎも可能です。

2:価格はウェブサイトもしくはお見積もりで提示。
 ワンプライス制で価格競争をせず、高い施工品質をお約束します。施工後にお見積もりより高い金額を請求することはありません。

3:施工証明書の発行。
 保険修理などにもしっかり対応するためお客様のカルテを保管。お客様には施工証明書を発行します。

4:メンテナンス剤の無償補充(初回パッケージ同等品)
 フィルムをよりよい状態で維持するための保護剤は使えばそれだけフィルムにとって良い状況を作れるもの。使用分は永年無償補充します。
 (要施工証明書:ステルスは対象ではありません)
 (オーナー様が変わられた場合には対象外です)


5:フィルムを剥がす際は施工店なら無料!
 施工同様に時間のかかるフィルムを剥がす作業。通常では有料ですが、施工店にお持込いただければ無料です。
 (要施工証明書:ステルスは対象ではありません)
 (オーナー様が変わられた場合には対象外です)


最後に施工をご検討いただいてから、施工を行いお引渡しをさせていただくまでの一連の流れを記載させていただきます。
1: このサイトをご覧いただき、施工に興味を持っていただいた皆様にはまず『CONTACT』から質問や施工希望個所などを送っていただきます。
メールや電話でのやり取りのほか、店舗にお越しいただきフィルムを触っていただきながら特性などを知っていただき、施工個所を決めていくことも可能です。
お見積りの製作のほか、お客様の車両に合わせた施工個所の確認用イラストを製作し、より具体的にイメージをつかんでいただけます。
遠方の場合にはサンプルをお送りいたしますのでフィルム到着後にお電話にて来店同様に特徴をご説明させていただきます。
2: 施工を決めていただいたらオーダー専門ページのリンク先をご連絡させていただきます。専用ページを使用することで『漏れ』や『伝え間違い』などが無いようになっています。
お客様情報、おクルマの情報、施工個所、施工の希望日程やコンディションなどに関する質問項目にご記入をいただきます。
大変勝手ながら新規でご注文の場合はお見積金額の一部を前金にてご入金いただき、ご入金確認を持って正式なお申し込みとさせていただいております。
3: 施工当日におクルマをお持ち込みいただき施工個所、コンディションなどをチェックシートを元に最終のヒアリングを行います。
小さな部位の追加施工やお客様のニーズに合わせた施工範囲の調整などもここで最終的に行います。
4: 施工前の準備として専用液を使用して施工していくため、ウインドやエンジンルーム、トランクなどを徹底的にマスキングします。 ほかにも飛石個所へのタッチアップ(塗料はメーカー認定工場にてすぐに手配し、当日でも用意が可能です)、必要に応じた磨き処理、洗浄などを行います。 ※バンパーなどの板金塗装後のフィルム施工をセットにしたパッケージングも可能です。
5: ここからフィルムの施工になります。車種データがある場合は予め施工個所に合わせたフィルムをコンピューターカットします。 ご注文確定後に予めフィルムを用意しておきますので施工前の準備が整い次第、すぐに施工へ移ります。 データがない場合やお客様のご希望に合わせた大きさや位置などのオーダーによる施工の場合は型紙を製作します。型紙の製作方法は企業秘密です。
6: 車種データがある場合は最短で翌日の午後、データのない場合は2泊3日のスケジュールでおクルマをお渡しできます。 お渡し前にフィルム施工面に専用コーティングを施します。 最終的にお客様にお引き渡しする際に施工後の注意事項などを改めてご説明させていただき、施工証明書・保護剤とその施工マニュアルをお渡しいたします。

ここまで長文となりましたが、ご不明な点などございましたら遠慮なくお問い合わせフォーム、もしくはお電話にてお問い合わせください。
店頭ではサンプルフィルム等を使用してよりイメージを掴んでいただけますよう、ご説明をさせていただきます。


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